ランニングに多いケガと対策に必要な意識
ランニングを長く続けていくためには、
「ランニングのケガ」について知ることが
必要な要素の一つだと考えています。
実際にランニングを続けるうえで多いケガとは
どういったものでしょうか。
下の図は僕が調査した、長距離選手のケガの割合を示しています。
図.長距離選手のケガの割合
図からもわかるように、
長距離選手に多いケガは膝関節から下の部位に多く発生しています。
またそれぞれの部位別に見てみると
膝関節:腸脛靭帯炎や膝蓋靭帯炎・鵞足炎など
下腿部:シンスプリントやふくらはぎ痛など
足関節:アキレス腱痛や足関節周囲炎など
足部:足底筋膜炎や足趾痛など
ランナーがよく遭遇するケガや痛みのほとんどが、これらではないかと思います。
長く走れば走るほどこれらのケガのリスクは増え、
また一度痛みが出てしまうとなかなか痛みが引かなかったり、
再発を繰り返してしまう可能性もあります。
そのため出来るだけこれらのケガをしないように管理することが重要であると思います。
では、実際にどのように対策をしていけば良いでしょうか。
まずケガは大きく、急性外傷と慢性障害とに分けることが出来ます。
これらの二つはケガ・痛みの出方で分けられ
急性外傷:一回の大きな外力によるケガ
ex.捻挫 打撲 骨折
慢性障害:繰り返しの外力によるケガ
ex.腸脛靭帯炎 シンスプリント
ランナーにどちらのケガが多いかというと、
慢性障害が圧倒的に多くなっています。
ランニングは同じ動作の繰り返しであり、一回の負荷もそれほど大きくありません。
しかし何万回と繰り返される負荷によって、膝や足首に痛みが生じてしまいます。
つまりランニングのケガに対する対策は、
この「繰り返しの外力」をどうやってコントロールするか
を考える必要があります。
繰り返しの外力を感じる一番わかりやすい方法は、
「どこが疲労しやすいか」ということです。
外力にはいろいろなものがありますが、
それらの外力に対して
身体のどこを使って抵抗し力を発揮しているかによって、疲労しやすい部位が変わってきます。
ふくらはぎや足首が疲労しやすい人はそれらの関節に、
膝が疲労しやすい人は膝関節に痛みが出やすいという事です。
当たり前のことのようですが、
意外とどこが疲れやすいかを感じているランナーは少ない印象があります。
その時重要なことは以前のブログで紹介した
「自分自身の身体の状態を感じる」ということです。
走る前や走っている最中・走り終わった後に、
自分の身体の中でどこが疲れているのか?
どこに力が入りやすいのかを感じてみてください。
慣れないうちは、なかなか疲労を感じることは難しいですが、
意識することで段々と感じることが出来るようになってきます。
そしてなんとなく、ここが疲れるぞという場所が見つかったら、
その疲労しやすい場所をしっかりとケアをしてください。
特にケガの多い膝関節より下に疲労がでやすい人は、必ずケアを行うように意識しましょう。
まとめ
①ランニングのケガは膝から下の慢性障害が多い
②慢性障害は繰り返しの外力で発生し、
身体へは疲労の形で現れる
③自分自身の身体の状態を感じ、
疲労をためないようにケアをする
自分の身体の状態を感じる方法や疲労管理の具体的は方法は、
このブログでも少しずつアップしていきます。
みなさんもまずは、
「自分自身の身体の状態を感じる」ことから始めて、
楽しく長くランニングを続けていきましょう!
ケガをすると「長く」ランニングを続けられない
「楽しく」「長く」続けるためには、
一人一人の「楽しみ」を見つけ「目標」を持って取り組むことが大切と書きました。
まずは走りたい・走ろうと思って走ることが大切だと思います。
また「長く」続けることで自身の立てた「目標」を達成し、
新しい「楽しみ」を発見することにもつながってきます。
しかし走ることを長く続けていくことは、なかなか容易ではないかと思います。
時間や仕事・家庭の問題や、やる気がなくなってしまうなど気持ちの問題もあると思います。
その中でも多くの人が悩み、
ランナーであれば一度は経験をしたことのあることと言えば「ケガ」だと思います。
実際にランナーを対象にしたアンケートでは、
痛みや問題なく走ることが出来ているランナーは3割くらいと言う結果が出ています。
ランニングを長く続けていくとケガを経験することは多いと思います。
ケガをすることはランニングが出来ず、
体力的な面で落ちてしまうだけでなく、気持ちの面でも大きな影響を与えます。
楽しくて走っていたはずが、段々と走ることが苦痛に感じたり、
ランニングを出来ないことで目標も達成できず、自己嫌悪に感じる人もいることでしょう。
病院に来院される方は、ケガや違和感等を感じている状態であり、
本来楽しめていたはずのランニングを楽しめない状況となっている場合がほとんどです。
また病院に行くほどではないけど、ケガや違和感がある状態で走り続けていては、
心からランニングを楽しむことにはならないと思います。
そのため「楽しく」「長く」ランニングを続けていくためには、
いかに「ケガ」をしないか(予防する)
がもっとも重要なことではないかと考えています。
では、実際にケガを予防していくために必要なことはどんなことか。
僕が考えるケガを予防するために必要な要素があります。
それは
・ランニングに必要な知識をアップデートする
・ランニングのケガを知る
・自分自身の身体の状態を感じる
・ケア、トレーニングを継続する
これらの要素を偏りなく意識することがケガを予防して、
「長く」ランニングを続けることに繋がるのではないかと考えています。
情報社会といわれるこのご時世、これらの情報はいろいろなところにあります。
ご自身の身体にあったケガの対処・ケア・トレーニングを取り入れていくために、
まずは「自分自身の身体の状態を感じる」
ことから始めてみてください。
どこが疲れる・どこが張っている、などいろいろなことがわかってくると思います。
このブログでもこういった情報をアップしていきますので、ケガをせず、楽しく長くランニングを続けていける身体・知識をつけていきましょう!
「楽しみ」を見つけて「長く」続ける
走ることの「楽しみ」ってなんでしょうか。
ランニングブームが到来し、今では1000万人ほどのランナーがいると言われています。
ランニングを始めたきっかけが千差万別のように、ランニングを続ける「楽しみ」も千差万別のことと思います。僕が出会ったランナーさんも
・旅RUNが楽しい
・ダイエット目的だったけど、走ると気持ちいいし楽しい
・仲間と一緒に走ることが楽しい
・走ったあとのビールがうまい
などなど一人一人それぞれの「楽しみ」を見つけて走っている人たちばかりでした。そんな人たちは走ることを楽しみ、いつも活き活きと走っている様子を話してくれています。
またみなさんに共通していることがもう一つあります。それはそれぞれの「楽しみ」を見つけた上で同時に「目標」を持っているという事です。
例えば・・・・
・次のフルマラソンは何時間で走る
・次の旅行はどこに行って走る
・誰々さんのペースに付いていけるように自分でも走る
・何キロやせる!
こういった「目標」を掲げて走っており、その目標を達成したときにはお祝いをして、また新しい目標を設定し走り続けています。
この「楽しみ」と「目標」を持つことが長くランニングを続けるために必須ではないかと思います。
すでに走られている方々は楽しみや目標を持っているかと思います。
そういった方も是非、時々ご自身の「楽しみ」や「目標」を確認してみてください。苦しい時や大変な時の支えになってくれると思います。
これから走り始める方は、
ぜひ自分なりの「楽しみ」を見つけてみてください。
好きこそ物の上手なれ、ということわざの様にランニングを楽しみ好きになることが、続けるための第一歩だと思います。
シンプルだけど奥の深いランニングを続ける為に「楽しみ」と「目標」を持って今日も走っていきましょう!
はじめまして
もうすぐ12月になり、最近ますます寒さが強くなってきましたね。みなさん寒さに負けずに走られているでしょうか。
今回ブログ初投稿ということで、簡単に僕の自己紹介を載せておこうと思います。僕はとある病院でスポーツ外来を専門に担当している理学療法士です。普段はスポーツでケガをした方のリハビリを行っています。また病院外では部活に出向いてトレーニング指導等も行っています。
僕自身、小・中・高とずっと陸上部に所属して短距離をやっていました。今は長距離に挑戦して、ハーフマラソンを走ったりしています。もともと走ることが好きで、「どうしたら早く走れるのか」「どう動けば効率的に動けるのか」そんなことばかり考えて実践しています。
また病院で多くの方のリハビリを担当する中で「どうすればケガをせず走れるか」「ランニングを楽しんでもらう為にどうしたらいいのか」そんなことも考えるようになっていました。そんな思いでこのブログを開設し、少しでも多くの方に僕が得てきた知識・経験や、ランナーさんと話す中で得た気付きを共有したいと思いました。
ランニング、走るということは簡単なことに思えて、奥が深く追求してもしたりない魅力的なものです。しかしその反面、少しの意識・気付きを積み重ねていくことで、大きな成果や達成感を味わう事のできるスポーツだと思います。そんな知識や気付きをこのブログでは伝えていこうと思います。
少しでもみなさんのランニングライフを楽しく長く続けられる助けになれば幸いです。またみなさんの気付きや疑問に思っていることも随時募集中です。
これからよろしくお願いします!