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理学療法士が伝えるランニング情報ブログ。ランニングに対する「知識」「意識」を「Update」して、今よりも早く・楽しくランニングをしよう!

ランニングによる膝の痛み・ケガの対処方法~基本編~

 「ランニングしていれば、膝の痛みは当たり前」

そんな言葉をよく耳にするのではないでしょうか。

確かにランナーに多いケガには膝の痛みが含まれます。

あまりにランナーに多いため、「ランナー膝」というケガの名前が付くくらいです。

それだけ膝への負担もかかりやすいということになります。

また

一度膝の痛みが出てくると、

なかなかすっきりと治らず、

走ると痛みが出る、ということを繰り返すケースが多いことも

厄介なところではあります。

 

では、なぜ膝のケガが多いのか、

やはりヒール接地の影響が大きいのではないかと思っています。

過去の記事にも書いたように

koji0722.hatenablog.com

 ヒール接地では、膝関節を中心に運動を行っています。

また、

日本人はもともと骨盤が後傾しやすい、とも言われています。

骨盤後傾でのランニングはお尻に力が入りにくく、

より膝への負担が増えることに繋がります。

 

このように、様々な影響で膝のケガを引き起こします。

そこで今回は膝のケガに対して

①ケアの方法

②トレーニングの方法

③動作修正のポイント

の3つの視点で基本的な対処方法をまとめたいと思います。

 

①ケアの方法について

 

膝のケアを考える時に大切なことは、

膝を中心に上と下の筋肉をほぐすことです。

膝は下半身では中心に位置する関節のため、

上下にある筋肉からの影響をうけるためです。

そのため、痛みが出ているところの筋肉だけでなく、

上下セットで考える必要があります。

 

例えば、

膝の外側の痛みとして出てくる腸脛靭帯炎に対して

一般的には、もも外側をほぐそう!

と言われます。

しかし膝を中心に上をほぐすだけでは不十分で、

膝を中心に下もほぐす必要があるのです。

つまり、ふくらはぎの外側もほぐすことが必要になります。

 

膝の痛みが出やすい部位別でまとめると

膝前の痛み・・もも前とすねをほぐす

膝内の痛み・・内ももとふくらはぎの内側をほぐす

膝裏の痛み・・もも裏とふくらはぎをほぐす

膝外の痛み・・もも外とふくらはぎの外側をほぐす

 

このように

もし今現在、膝の痛みがある方は

痛みがある部位に対して、上下セットでケアをするように意識しましょう。

 また

膝周りに疲労が溜まりやすいと感じている方も

上下セットでケアをする意識を持ってみましょう。

より、ケガの予防に繋がると思います。

 

いろいろなストレッチの方法もありますが、

まずは簡単なマッサージから取り組んでみましょう。

ご自分の手で行ってもいいですし、

今は色んな道具が出ていますので、

そういったものも活用していきましょう。

おすすめの道具は下のマッサージ棒です。

似たようなものも出ていますので、一本あると便利です。

 

②トレーニングについて

 

膝の痛みがあるときに、

実際は膝周りの筋肉をトレーニングするということは少ないです。

先ほども書いたように、

膝は上下にある筋肉の影響を受けやすいため、

股関節や足首周りのトレーニングをして、

膝への負担を減らすことを考えます。

ここでは、説明が複雑になるため、

今後の各論の所でこれらのトレーニングについては書こうと思います。

 

今回は膝のケガを予防するために必要な、

膝の機能とその強化についてです。

ケガをしにくい膝にするために必要なことは、

しっかりと膝が伸びる(伸展)事です。

 

膝の動きは大きく、

曲げる(屈曲)と伸ばす(伸展)

とがあります。

また、極小さな動きですが、捻じれ(回旋)が生じています。

 膝の関節は

しっかりと伸びることで捻じれが生じ、

関節としての安定性が高い状態になります。

そのため、しっかりと膝が伸びていることがポイントです。

 

膝を伸ばす筋肉は、大腿四頭筋という筋肉です。

「四頭筋」という名前の通り、4つの筋肉が含まれています。

つまり、1つの直筋と3つの広筋です。

膝の安定性で特に大切なのは、

3つの広筋です。

外側広筋・中間広筋・内側広筋の3つで構成される広筋は、

膝の伸びと安定性に強く関与します。

そのため

これらの筋肉を強化しておくことが、

膝の痛みの予防や痛みの軽減に繋がってきます。

 

~トレーニング方法~

〇セッティング

 膝を伸ばす筋肉のトレーニングとして、

「セッティング」があります。

    f:id:koji0722:20200119180445j:plain

ポイント

 ・膝が伸びてお皿が動いている事

 ・膝の内側あたり(内側広筋)に力が入る事

  f:id:koji0722:20200119180535j:plain 内側にある内側広筋

 

今現在、膝に痛みがある場合

膝に力が入るため、痛みが出てしまう場合があります。

その時は無理に行わなずに、しっかりとケアをするようにして下さい。

膝に違和感がある人・時々痛みがある人は、

痛みが無い範囲でどんどん取り組んでみてください!

 

③動作修正のポイントについて

 

ランニングをしていて、膝に痛み・ケガ出るという事は

ランニングフォームで膝への負担があるということです。

そのため

どんなにケアやトレーニングを行ったとしても、

走れば痛みが出る、を繰り返してしまう事に繋がります。

しかし

ランニングフォームを修正することは、とても難しく

よほどランニング動作に長けた人でないと、

なかなか行えないのではないかと思います。

ましてや、一人で修正することは、とても難しいと思います。

動画を取って、分析することも一つの手ですが、

動作から膝への負担を分析することは、容易ではありません。

 

そこで

僕がおすすめしたい方法は、

片足立ち・スクワットの動作修正を図る

という事です。

これは以前の記事でも書きましたが、

練習前に行うトレーニングとしても、活用できます。

koji0722.hatenablog.com

 

では、なぜこの二つの動作かというと、

ランニングで膝に負担が掛かる場面は、

サポート期つまり身体を支えている時です。

またサポート期では、

片足で下半身の関節は曲がる(屈曲)している状態です。

つまり

片足立ちとスクワットを行った時に

膝周りで支えていると感じる人は、

走った時も膝周りを中心に身体を支えていることになるのです。

 

下の写真は、

膝に負担が掛かっていると思われる人の片足とスクワットです。

                      f:id:koji0722:20200121225111j:plain
ポイントは

骨盤が後傾して、膝が中心に曲がっている点です。

この姿勢で動作を繰り返すと

膝周りが疲れてくると思います。

 

そうなってしまっている人は

下の写真を参考に二つの動作を修正してみてください。

        f:id:koji0722:20200121230622j:plain

修正のための細かいトレーニングもありますが、

まずは真似をして、工夫して行ってみましょう!

段々と

お尻ともも裏の筋肉を使えるようになってくると膝への負担を減らせます。

 

複雑なランニングフォームを修正するより、

ランニングを必要な要素に分解した

シンプルな動きの方が、修正がしやすいと思います。

 

ぜひ、普段行っているトレーニングに

織り交ぜて行ってみてください。

 

 

ランナーの膝の痛み・ケガは多く、

なかなか治りにくい厄介なものです。

今回の基本編で書いた

・ケア ・トレーニング ・動作修正

の3つを意識してみてください。

 

「ランナーだから膝の痛みは仕方がない」

そうゆう風に言う人もいるかもしれませんが、

ケガをしてしまっては、何も楽しくありません。

ぜひ、ケガなく楽しくランニングを続けられるようにしましょう。

 

疑問・質問・相談などなどありましたら、

なんでもご相談下さい。

 

今後、膝の痛み・ケガについては各論として

それぞれの痛みの部位別にも書いていこうと思います。

お楽しみに~

 

フォアフット接地VSヒール接地

皆さんは走るとき、フォアフット接地でしょうか?

ヒール接地でしょうか?

 

ランニングの接地には

フォアフット・フラット・ヒール接地があります。

ランナーの多くがヒール接地と言われていますが、最近では

フォアフット接地に注目が集まっています。

しかし

実際にはどちらの接地が良いのか?

明確な答えは出ていないのが現状です。

 

そのため、いきなりどちらの接地が良い!!

というのではなく、まずはどのような違いがあるのか?という観点で、

フォアフット接地とヒール接地について、比べてみたいと思います。

 

1.接地の衝撃吸収に関して

 

ランニングの接地の瞬間は、体重の約4倍の衝撃が掛かると言われます。

この繰り返しの衝撃の吸収を効率よく出来ないと

ケガに繋がると考えることができますが、

この衝撃を効率的に推進力に変えることが、ランニングでは重要です。

また

接地方法の違いで、この衝撃の受け方も変わってきます。

 

・フォアフット接地

 →足部・アキレス腱を中心に受ける

・ヒール接地

 →膝関節を中心に受ける

 

フォアフット接地では、接地の時に

内側縦アーチの低下と足部が緩むこと、足首が曲がりアキレス腱の弾性の力

によって衝撃を吸収します。

そのため、足首から先の柔軟性や筋力が低下している状態では

効率的に衝撃を吸収することが出来ず、

アキレス腱周囲への負担となることが考えられます。

 

ヒール接地では、接地のときに膝関節の筋肉を中心に衝撃を吸収します。

特に、

膝関節を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)により衝撃吸収が吸収されます。

またこの時、ランニングの姿勢によっては

膝関節の外側や内側にある筋肉への負担が増える事もあります。

 

2.推進力の作り方について

 

 先ほども書いたように、接地の衝撃をいかに推進力に変えるか

によって、ランニングの効率の良さに繋がります。

同じランニングでも、接地の方法によって、

推進力の作り方も異なります。

 

フォアフット接地

 →強い蹴り出しで前に飛ぶように進む

 →リカバリー期に進む

ヒール接地

 →接地後に足部を中心に前に重心が転がる

 →サポート期に進む

リカバリー期は足が浮いている時

*サポート期は足が付いている時

 

フォアフット接地では、足が地面から離れる時に強く地面を蹴ることで大きく前に進みます。

  f:id:koji0722:20200115224735j:plain フォアフット接地の推進力

 

この時、接地時に貯めたアキレス腱の弾性力が使われ、

地面を強く蹴ることに繋がります。

またフォアフット接地では接地直後の衝撃は少ないですが、

蹴り出す時の地面を押す力はヒール接地より大きくなっているのが特徴です。

 

ヒール接地では、接地後に足部を中心に前に進みます。

  f:id:koji0722:20200115224835j:plain ヒール接地の推進力

 

この時、

接地の強い衝撃(地面を押し身体を持ち上げる力)

ブレーキ(重心の前に接地し後ろに身体を押す力)

の二つの力を使って、接地中に重心を進ませるための時間を作っています。

そのためヒール接地では

接地時の強い衝撃や接地中に身体を支えるための、

膝関節を中心とした強い伸展筋力(大腿四頭筋)が必要になることが特徴です。

 

3.接地時間

 

ランニングの効率を考える時に、接地時間は重要な要素となります。

接地時間はいろいろな要素で変わってくるものではありますが、

接地の違いによる影響が大きくあります。

 

フォアフット接地→接地時間短い

ヒール接地→接地時間長い

 

フォアフット接地は、推進力で書いたように

ジャンプをするように地面を強く蹴って進みます。

また接地位置も重心に近い所に着くため、接地から離地までの距離が短く、

短い接地時間になりやすくなっています。

 

ヒール接地で推進力を得る時は

接地している時に、重心をコントロールして前に進みます。

またヒール接地は重心により前に接地する傾向にあり、

自然と接地時間は長くなります。

 

 

~まとめ~

今回、フォアフット接地とヒール接地について

・衝撃吸収 ・推進力 ・接地時間

の3点について比べました。

これらの3つはランニングを行う上で必要な要素である

身体を支える 身体を進める

ために必要な基本的な要素となります。

これらを比べたうえで、どちらの接地方法が良い!

と言い切れるわけではありません。

これら以外にもそれぞれの接地に違いがありますし。

しかし

ランニングでのケガを予防していくためには、ランニングについての知識

を増やしていくことも重要です。

ぜひ、今回のポイントについて、ご自身のランニングで確認してみてください。

また

それぞれの接地の違いも重要ですが、

ランニングの接地で共通して重要なことを忘れてはいけません。

koji0722.hatenablog.com

 基本を押さえつつ、

それぞれの接地の違いについても考えてみてください。

 

ランニングの接地で大切なこと


ランニングの接地には

・フォアフット接地(前足部での接地)  

・フラットフット接地(足裏全体での接地)

・ヒール接地(踵からの接地)

と3種類に分類されています。

最近は大迫選手やケニアの選手がフォアフット接地であり、フォアフット接地の方が早く走れる!

と言われています。

しかしその反面、

・フォアフット接地は足への負担が大きい

・初心者はまずはヒール接地が良い

・結局その人にあったフォームなら自由

などの情報も多く、悩んでしまう事も多いのではないでしょうか。

またヒール接地の方が身体への負担も少なく、

フォアフット接地では負担が大きいため、ケガをしやすいとも言われます。

 だた、実際ランナーはヒール接地がほとんどで、

 多くのランナーがケガをしています。

そんな実情をみていると、本当にフォアフット接地はケガしやすいのか?

本当に初心者はヒール接地が良いのか?

疑問に思う事も多くありました。

 

そういったことを考えながら多くのランナーを見てきて、

また自分が走ってきた経験も通して、

接地を考える上で大切だと感じているのは、

①接地は結果であって、重要なことは接地をするまでの過程であること

②どのような接地でも、股関節からの動き・支えを意識すること

という事です。

①の過程は、姿勢や膝の動き・股関節の動きなどを言います。

    f:id:koji0722:20200104160805j:plain

つまり、接地を考える時は足先の意識だけではなく、

身体全体の動きとして捉え、接地がどうなっているかを考える必要があります。

結果だけを変えようとしても、なかなか変わっていきませんし

かえって無理な動きになり、身体への負担が大きくなる可能性もあります。

そのため、接地に繋がる過程が大切なのです。 

 

たとえば、

骨盤が後傾してランニングしている人は、

どうしても接地の位置が重心よりも前になり、自然とヒール接地になります。

その人が無理にフォアフット接地にしようとすると、

余計に膝など他の部位への負担が大きくなることが考えられます。

これはあくまで一例ですが、

身体全体の動きの過程があり、接地という結果に繋がっていると考えることが大切です。

 

②のどのような接地でも、股関節からの動き・支えを意識することは、

以前の記事でも紹介したように、

ランニングする上で基本的に使われる筋肉があります。

koji0722.hatenablog.com

接地やフォームには一人一人個性もあるかもしれませんが、

ランニングの基本を押さえておく必要はあります。

そのため、

・フォアフット接地にしたからふくらはぎが疲れる

・ヒール接地をしているから四頭筋ばかり疲れる

という考えは、少しずれていると僕は考えます。

もちろん、

それぞれの接地方法の違いで使われやすい部位は変わります。

しかし

基本的にランニングを行うためには、股関節周りの筋肉が使われ、

それらの筋肉が疲れてくることが前提にあるべきだと思います。

これは①で上げた、

「結果よりも過程」と、かぶるところではありますが、

股関節周りの筋肉が使えるという前提と、その他の部位の動きも意識する過程を整えたうえで、

結果である接地を考えることが大切だと感じています。

 

股関節周りの筋肉を使う意識については、

僕が普段行っている簡単なトレーニングも紹介しています。

koji0722.hatenablog.com

どこでも出来る内容となっていますので、

ぜひ、チェック&トレーニングを行ってみてください。

 

 

ここまで、接地について大きな視点で考えを書いてきました。

接地と聞くとどうしても

フォアフット接地やヒール接地というように、

キーワードに目が引かれてしまいがちかと思います。

しかし

ランニングは全身で行う運動であり、足先ばかりに気を取られずに、

接地に至る過程や前提としての股関節の意識を持つことが、

何よりも大切なのではないでしょうか。

 

また接地の方法に関しては、

未だ明確にどちらが適しているという見解は出ていません。

今後別の機会に、

「今現在僕自身が考える」ランニングに適した接地について書いていこうと思います。

皆様もぜひ、

基本を押さえながら、接地について考えてみてください。

 

練習効果を高めるランニング前に行いたいトレーニング

 皆さんはランニングの前に、ルーティンで行うトレーニングはあるでしょうか。

ランニングの前にトレーニングを行うメリットは

①日常生活からランニングをする身体に切り替わる

②ランニングに必要な筋肉に刺激を入れることで、練習効果を高める

③正しいフォームで走ることに繋がり、ケガの防止・パフォーマンスアップに

 

そのためランニング前にトレーニングを行う事で、

練習効果を高め、効率的にパフォーマンスの向上に繋がります。

 

このページでは、ランニングの前に行いたいトレーニングを紹介します。

またトレーニングと言っても、それほど負荷は強くなく

バランスや身体の使い方を修正するトレーニングとなっています。

そのため、毎回行う事で自身の身体の変化のチェックにもなりますので、

ぜひ、行ってみてください!

 

①片足立ち

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方法:手を頭に置いて片足で立ちます。この時上げた足は地面と平行にします。

意識:前後・左右にブレないように1本の軸を通すように。

ポイント:お腹やお尻の筋肉が伸びるように力が入ること。

回数:10回1セットで2~3セット

 

②スクワット

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方法:手を頭に置いてスクワットを行います。

意識:股関節・膝の順で曲げていきます。上半身が前に潰れないように、腹筋を上に伸ばすように意識。

ポイント:お腹やお尻・もも裏の筋肉に力が入ること。

回数:10回1セットで2セット

 

③スクワットジャンプ

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方法:スクワットの姿勢から真上にジャンプをします。空中で伸びてから、再度スクワットの姿勢で着地をします。

意識:スクワット姿勢から股関節を使って伸びあがり、空中では片足立ちで意識した身体が上に伸びあがるように。

ポイント:スクワットと同様にお腹やお尻・もも裏の筋肉に力が入ること。

回数:10回1セット

 

 これら3つのトレーニングを行っておくことで、

走る上で重要な体幹や股関節周りの筋肉に刺激を入れることが出来ます。

koji0722.hatenablog.com

 

その状態で走ることで、ランニング中も体幹や股関節周りの筋肉を使えるようになり、

ランニングに多い膝や足首回りの障害の予防に繋がります。

またランニングでこれらの大きな筋肉を使えることは、

ランニングエコノミーを高め、パフォーマンスの向上にも繋がります。

 

 シンプルで簡単なように見える動作ですが、実際に行うと

意外にバランスがとりにくかったり、どこの筋肉を使っているかを意識すると、

なかなか体幹や股関節周りを使えていない事に気が付くかと思います。

 

 何度か繰り返し、感覚が掴めてきたら、走るときも意識してみましょう。

 

 僕は上の3つをルーティンで行うトレーニングとして、

そこに課題としている動きや、新しいトレーニングを2・3種類行うようにしています。

 ランニングの前にこうしたトレーニングを10分ほど行う事で、

より安定したランニングフォームが身に付き

ケガの予防やパフォーマンスの向上に繋がっている感じています。

 

 なんとなく走り始めるのではなく、

どんなことを意識して走るのかを意識してみてください。

 

ランニングで使う筋肉~ランニングフォームは形だけが大事ではない~

 ランニングフォームと聞くと

 ・こうゆう姿勢が良い

 ・接地の位置や接地の方法はこうした方がいい

 ・足首は・・・・・膝は・・・・・・

などなど「形」にこだわりが出てしまうのではないでしょうか。

 言葉の意味としては、

  ランニングフォーム=走っている形

となると思いますが、形や見た目ばかりにこだわってしまうと、

かえって身体の一部に負担が掛かったり、余計な力が入ってしまうことに繋がります。

 特にランニングでは接地を意識しすぎる人が多く、足首回りの動きでコントロールしようとするあまり、足首回りにケガをする人が多い印象です。

 そのためランニングフォームを考える時

見た目的な形だけにこだわるのではなく、

「どこの筋肉を使っているか」ということを意識することが重要です。

 

 当たり前のことですが、身体を動かしているのは筋肉です。

ランニングフォームも、どうやって筋肉を使うかによって変わってきます。

 

 では、実際にランニングでどこの筋肉を使うのが良いでしょうか。

なかには

 ・ランニングフォームによって一概に言えない

 ・人それぞれ特徴があって良い

という意見もあるかと思いますが、まずは基本を押さえておくことが重要です。

 ここからは、

走るときに使ってほしい・疲れてほしい筋肉について紹介していきます。

 

①大殿筋(だいでんきん)

f:id:koji0722:20191222232435j:plain 定番のお尻の筋肉。

身体を支える上では、欠かすことの出来ない重要な筋肉です。

この筋肉が使えないと、膝やふくらはぎへの負担が大きくなります。

大きな筋肉なので、使えている人は疲労を感じやすいかと思います。

 

ハムストリングス

f:id:koji0722:20191226002905j:plain もも裏の筋肉です。

こちらも走る上では欠かすことの出来ない重要な筋肉です。

内側と外側に筋肉があるため、両方が疲れることもあれば、

どちらかだけが疲れるといったこともあります。

 

③中殿筋(ちゅうでんきん)

f:id:koji0722:20191226002936j:plain お尻横の筋肉です。

身体の横方向の安定性を支えています。

弱くなると膝の痛みと関係する筋肉ですが、

ランニングや陸上部の選手では使えていない人が多い筋肉です。

使えていると、お尻の横の後ろ気味が疲れてきます。

 

④内転筋群(内転筋群)

f:id:koji0722:20191226003137j:plain 内ももの筋肉です。

走る上ではあまり使われていないように思われますが、

ももを前に振り出したり、前から後ろに振り戻したりするときに

大きな力を発揮しています。

 

腸腰筋(ちょうようきん)

f:id:koji0722:20191226002945j:plain 

お腹の奥から、内もも気味の筋肉です。

ももを前に引き付ける筋肉で、身体を支える上でも重要です。

身体の奥にあるため、なかなか意識がしにくいですが、

ここが意識できるようになると、身体が楽に進むようになります。

 

⑤腹筋群(ふっきんぐん)

f:id:koji0722:20191226003002j:plain 

いくつかの筋が含まれます。

特に下腹部あたりの腹横筋(ふくおうきん)や

内腹斜筋(ないふくしゃきん)の下の部分が重要です。

腹筋群は縮めずに、伸びるように意識できるとしっかりと支えられます。

 

僧帽筋下部(そうぼうきんかぶ)

f:id:koji0722:20191226002923j:plain 

肩甲骨の内側の筋肉です。

あまり聞き慣れない筋肉かもしれません。

また中には僧帽筋に力が入っていると、腕が振れないと考える方もいるかもしれません。

僧帽筋下部に関しては、身体を支える筋肉として間接的に働いています。

そのため腕振り・身体を支える上では重要です。

 

以上の7つの筋肉が走るときに重要な筋肉です。

主には股関節周りの筋肉と体幹ー肩甲骨周りの筋肉で、

身体の中でも大きな筋肉がメインとなっています。

 

もちろん、膝を伸ばす筋肉やふくらはぎの筋肉も使われますが、

最初からこれらの末梢の筋肉に頼った走りになってしまうと、

ケガになりやすかったり、スピードが上がりにくくなってきます。

 

そのためランニングを行う上ではまずは、大きな筋肉を使って身体を支えて、

前に進めることが出発となります。

ぜひ、意識できるようにしていきましょう。

 

 

今後ブログ内で、

どうすれば股関節周りや体幹ー肩甲骨周りの筋肉を使えるようにするかを

紹介していこうと思いますので、

ご期待下さい!

ランニングの疲労とパフォーマンスについて~フィットネス疲労理論~

 ランニングと疲労は切っても切れない関係にあります。

疲労というとマイナスなイメージが先行してしまいがちですが、上手に向き合うことで、自分自身のフォームやコンディションを把握するための指標にもなります。

koji0722.hatenablog.com

  そのためランニングによる疲労を上手に味方に付けられるようにすると、よりランニングを楽しむことに繋がるかもしれません。

 

 では、実際にランニングを行った際に疲労はどのように出てくるのでしょうか。また疲労によりパフォーマンスは低下し、パフォーマンスが低下したままの練習では思ったような効果を発揮することはできません。

 そのためランニングによる疲労とパフォーマンスとの関係についてみていこうと思います。

 

 ここで紹介するのは「フィットネス疲労理論」という考えです。

これは練習によるパフォーマンスの向上(マラソンではタイムでしょうか)をフィットネス疲労の二つの要素から考えるものです。

まずは下の図を見てみましょう。

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図は、練習によるパフォーマンス・フィットネス・疲労の経時的な変化を表しています。

それぞれの要素について説明すると

パフォーマンス:競技レベル。マラソンではタイムや走れる距離。

フィットネス:身体機能。筋力や持久力など。

        パフォーマンスにはプラスの効果。

疲労:身体の疲れ。部分的や全身的など。

    パフォーマンスにはマイナスの効果。

 

つまり、練習によるパフォーマンスの変化というのはf:id:koji0722:20191215185004j:plain

という式で表すことができます。

ここで重要になることが、

 ・フィットネス効果ゆっくりと向上し何もしないとゆっくりと元に戻る

 ・疲労効果急激に増加早く元の状態に戻る

ということです。

上の図で、練習直後のパフォーマンスの低下は疲労のマイナス要素が増えたことが大きく影響し、その後のパフォーマンスの向上はフィットネスのプラス要素が増えたことと疲労のマイナス要素が減ったことが影響したことになります。

このフィットネスと疲労のバランスを崩してしまうと、頑張って練習をしたとしても、パフォーマンスの向上は望めません。

つまり

出来るだけフィットネス効果を高め、疲労効果を少なくすること

パフォーマンスの向上に欠かせないことになります。

 

特に疲労に関しては、蓄積されればされるほど、パフォーマンが低下し

ケガのリスクが上がるだけでなく、練習の効率も低下し、フィットネス効果の低下にもつながってしまいます。

しかし

フィットネス効果と違い、疲労効果は良い意味でも悪い意味でも反応が早い面があります。

そのため

練習後に疲労は急激に増えますが、ストレッチやマッサージをしっかりと行う事で、疲労を減らすことも十分に可能になります。

また頑張って練習をしているのに、なかなか結果に繋がらない人は、疲労が溜まった状態のために、パフォーマンスが低下していることも考えられます。

ストレッチやマッサージをしっかりと行う事は、トレーニングのマイナス要素を少なくして、パフォーマンスの向上に繋がる

ということも意識してケアを行いましょう。

 

フィットネス疲労理論については

この本を読むことで、より理解できるかと思います。

この本は試合に向けて、どうコンディションを整えていくかについて書かれていますが、練習強度や内容を考えるためのヒントも多く書かれています。

今より、より効率的・効果的な練習をしようと考えている方は、ぜひ一読してみてください。

 

ランニングによる疲労とどう向き合うか

 ランニングを楽しく長く続けるには、ケガを予防していくことが重要であると考えています。またランニングのケガは、そのほとんどが慢性障害であり、繰り返しの外力が足関節や膝関節などの局所に集中すると痛みとなって出てきます。

この繰り返しの外力は「疲労」として身体に感じることが出来るとお話ししました。

koji0722.hatenablog.com

  「身体の疲労を感じる事」これを練習前やランニングをしている最中、練習のあとに意識することが大切です。また「疲労」と聞くと、朝起きた時の身体の重だるさや、なかなか眠気が取れないといった全身的な疲労をイメージする方が多いかと思います。

 しかしここで大切なことは

「身体のどこが一番疲労しやすいか」ということです。これは意外とわかっているようで、しっかりと把握出来ている方は少ないと思います。

一番疲労しやすい部位=繰り返しの外力による負荷がかかりケガに繋がりやすい場所、というように解釈することもでき、ここを把握しておくことは、ケガの予防や自身のランニングフォームの理解の上でも重要です。

 実際にこの一番疲労しやすい部位を感じるためのポイントが2つあります。

 ①ランニング最中にどこに一番力が入っているか

 ②ランニングの後はマッサージやストレッチをして筋肉の硬さを必ず感じる

 

 疲労しやすいという事は、ランニングをしている時に一番力が入っているということになります。そのためランニング中にどこに力が入っているかを感じるという事です。  また更に細かく感じる為に、どの場面でどこに力が入っているかを意識してみましょう。

たとえば、接地の時に膝の前に力が入っているや、蹴り出しの時にふくらはぎに力が入っているなどです。

こうしておくことで、自分自身のフォームの理解に繋がりますし、もしケガや痛みが出た時にどの場面のフォームを見直した方が良いかの指標にもなります。

 まずはなんとなくでも良いので、ランニング中にどこを一番使っているかを意識してみましょう。

 

 ランニングをしたあとは、マッサージやストレッチが重要です。

運動した後はストレッチをするということは周知の事実だと思います。しかし選手やランナーに普段身体のどこのストレッチを行っているかを聞くと、「よくわからない」と言った答えがとても多いです。ストレッチやマッサージをしているけど、なんとなくやっている人が多い状況なのです。

 ランニングをしたあと、筋肉は疲労して硬くなります。疲労が大きい筋肉ほど硬さも強くなっていることが考えられます。そのため疲労が強くなっている部位のストレッチやマッサージを行うと、硬さを感じることが出来ます。

疲労が強い時は

ストレッチを行った時は「伸びにくい・突っ張りが強い」と感じ、

マッサージを行った時は「硬い・押すと痛い」と感じると思います。

ストレッチやマッサージの方法は、今現在行っていることをまずは続けてください。その時に「突っ張り」や「硬さ」を感じることから始めてみましょう。

初めのうちは硬いのか?疲労が溜まっているか?判断が難しいこともあるかと思います。しかし毎日行っていくことで、「今日は硬い」や「今日は柔らかい」といったことや、「自分はふくらはぎが一番硬くなる」といったことが判断出来てくると思います。

そのためまずは、毎日硬さを感じることから始めてみましょう。そして硬さを感じられるようになったら、硬いと感じる所を重点的にケアをするように意識していきましょう。

 

まとめ

①ランニングの後に一番疲労を感じる所がケガをしやすい場所

②身体のどこが一番疲労しやすいかを感じる

③ランニングの最中にどこに一番力が入るかを感じる

④ランニングの後にストレッチ・マッサージを行い、筋肉の硬さを感じる

 

 疲労と上手に向き合うことで、自分自身のランニングフォームの理解やケガの予防に繋がります。

 どこが疲労しやすいか、ぜひ感じるようにしていきましょう。