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理学療法士が伝えるランニング情報ブログ。ランニングに対する「知識」「意識」を「Update」して、今よりも早く・楽しくランニングをしよう!

フォアフット接地VSヒール接地

皆さんは走るとき、フォアフット接地でしょうか?

ヒール接地でしょうか?

 

ランニングの接地には

フォアフット・フラット・ヒール接地があります。

ランナーの多くがヒール接地と言われていますが、最近では

フォアフット接地に注目が集まっています。

しかし

実際にはどちらの接地が良いのか?

明確な答えは出ていないのが現状です。

 

そのため、いきなりどちらの接地が良い!!

というのではなく、まずはどのような違いがあるのか?という観点で、

フォアフット接地とヒール接地について、比べてみたいと思います。

 

1.接地の衝撃吸収に関して

 

ランニングの接地の瞬間は、体重の約4倍の衝撃が掛かると言われます。

この繰り返しの衝撃の吸収を効率よく出来ないと

ケガに繋がると考えることができますが、

この衝撃を効率的に推進力に変えることが、ランニングでは重要です。

また

接地方法の違いで、この衝撃の受け方も変わってきます。

 

・フォアフット接地

 →足部・アキレス腱を中心に受ける

・ヒール接地

 →膝関節を中心に受ける

 

フォアフット接地では、接地の時に

内側縦アーチの低下と足部が緩むこと、足首が曲がりアキレス腱の弾性の力

によって衝撃を吸収します。

そのため、足首から先の柔軟性や筋力が低下している状態では

効率的に衝撃を吸収することが出来ず、

アキレス腱周囲への負担となることが考えられます。

 

ヒール接地では、接地のときに膝関節の筋肉を中心に衝撃を吸収します。

特に、

膝関節を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)により衝撃吸収が吸収されます。

またこの時、ランニングの姿勢によっては

膝関節の外側や内側にある筋肉への負担が増える事もあります。

 

2.推進力の作り方について

 

 先ほども書いたように、接地の衝撃をいかに推進力に変えるか

によって、ランニングの効率の良さに繋がります。

同じランニングでも、接地の方法によって、

推進力の作り方も異なります。

 

フォアフット接地

 →強い蹴り出しで前に飛ぶように進む

 →リカバリー期に進む

ヒール接地

 →接地後に足部を中心に前に重心が転がる

 →サポート期に進む

リカバリー期は足が浮いている時

*サポート期は足が付いている時

 

フォアフット接地では、足が地面から離れる時に強く地面を蹴ることで大きく前に進みます。

  f:id:koji0722:20200115224735j:plain フォアフット接地の推進力

 

この時、接地時に貯めたアキレス腱の弾性力が使われ、

地面を強く蹴ることに繋がります。

またフォアフット接地では接地直後の衝撃は少ないですが、

蹴り出す時の地面を押す力はヒール接地より大きくなっているのが特徴です。

 

ヒール接地では、接地後に足部を中心に前に進みます。

  f:id:koji0722:20200115224835j:plain ヒール接地の推進力

 

この時、

接地の強い衝撃(地面を押し身体を持ち上げる力)

ブレーキ(重心の前に接地し後ろに身体を押す力)

の二つの力を使って、接地中に重心を進ませるための時間を作っています。

そのためヒール接地では

接地時の強い衝撃や接地中に身体を支えるための、

膝関節を中心とした強い伸展筋力(大腿四頭筋)が必要になることが特徴です。

 

3.接地時間

 

ランニングの効率を考える時に、接地時間は重要な要素となります。

接地時間はいろいろな要素で変わってくるものではありますが、

接地の違いによる影響が大きくあります。

 

フォアフット接地→接地時間短い

ヒール接地→接地時間長い

 

フォアフット接地は、推進力で書いたように

ジャンプをするように地面を強く蹴って進みます。

また接地位置も重心に近い所に着くため、接地から離地までの距離が短く、

短い接地時間になりやすくなっています。

 

ヒール接地で推進力を得る時は

接地している時に、重心をコントロールして前に進みます。

またヒール接地は重心により前に接地する傾向にあり、

自然と接地時間は長くなります。

 

 

~まとめ~

今回、フォアフット接地とヒール接地について

・衝撃吸収 ・推進力 ・接地時間

の3点について比べました。

これらの3つはランニングを行う上で必要な要素である

身体を支える 身体を進める

ために必要な基本的な要素となります。

これらを比べたうえで、どちらの接地方法が良い!

と言い切れるわけではありません。

これら以外にもそれぞれの接地に違いがありますし。

しかし

ランニングでのケガを予防していくためには、ランニングについての知識

を増やしていくことも重要です。

ぜひ、今回のポイントについて、ご自身のランニングで確認してみてください。

また

それぞれの接地の違いも重要ですが、

ランニングの接地で共通して重要なことを忘れてはいけません。

koji0722.hatenablog.com

 基本を押さえつつ、

それぞれの接地の違いについても考えてみてください。