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理学療法士が伝えるランニング情報ブログ。ランニングに対する「知識」「意識」を「Update」して、今よりも早く・楽しくランニングをしよう!

ランニングの接地で大切なこと


ランニングの接地には

・フォアフット接地(前足部での接地)  

・フラットフット接地(足裏全体での接地)

・ヒール接地(踵からの接地)

と3種類に分類されています。

最近は大迫選手やケニアの選手がフォアフット接地であり、フォアフット接地の方が早く走れる!

と言われています。

しかしその反面、

・フォアフット接地は足への負担が大きい

・初心者はまずはヒール接地が良い

・結局その人にあったフォームなら自由

などの情報も多く、悩んでしまう事も多いのではないでしょうか。

またヒール接地の方が身体への負担も少なく、

フォアフット接地では負担が大きいため、ケガをしやすいとも言われます。

 だた、実際ランナーはヒール接地がほとんどで、

 多くのランナーがケガをしています。

そんな実情をみていると、本当にフォアフット接地はケガしやすいのか?

本当に初心者はヒール接地が良いのか?

疑問に思う事も多くありました。

 

そういったことを考えながら多くのランナーを見てきて、

また自分が走ってきた経験も通して、

接地を考える上で大切だと感じているのは、

①接地は結果であって、重要なことは接地をするまでの過程であること

②どのような接地でも、股関節からの動き・支えを意識すること

という事です。

①の過程は、姿勢や膝の動き・股関節の動きなどを言います。

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つまり、接地を考える時は足先の意識だけではなく、

身体全体の動きとして捉え、接地がどうなっているかを考える必要があります。

結果だけを変えようとしても、なかなか変わっていきませんし

かえって無理な動きになり、身体への負担が大きくなる可能性もあります。

そのため、接地に繋がる過程が大切なのです。 

 

たとえば、

骨盤が後傾してランニングしている人は、

どうしても接地の位置が重心よりも前になり、自然とヒール接地になります。

その人が無理にフォアフット接地にしようとすると、

余計に膝など他の部位への負担が大きくなることが考えられます。

これはあくまで一例ですが、

身体全体の動きの過程があり、接地という結果に繋がっていると考えることが大切です。

 

②のどのような接地でも、股関節からの動き・支えを意識することは、

以前の記事でも紹介したように、

ランニングする上で基本的に使われる筋肉があります。

koji0722.hatenablog.com

接地やフォームには一人一人個性もあるかもしれませんが、

ランニングの基本を押さえておく必要はあります。

そのため、

・フォアフット接地にしたからふくらはぎが疲れる

・ヒール接地をしているから四頭筋ばかり疲れる

という考えは、少しずれていると僕は考えます。

もちろん、

それぞれの接地方法の違いで使われやすい部位は変わります。

しかし

基本的にランニングを行うためには、股関節周りの筋肉が使われ、

それらの筋肉が疲れてくることが前提にあるべきだと思います。

これは①で上げた、

「結果よりも過程」と、かぶるところではありますが、

股関節周りの筋肉が使えるという前提と、その他の部位の動きも意識する過程を整えたうえで、

結果である接地を考えることが大切だと感じています。

 

股関節周りの筋肉を使う意識については、

僕が普段行っている簡単なトレーニングも紹介しています。

koji0722.hatenablog.com

どこでも出来る内容となっていますので、

ぜひ、チェック&トレーニングを行ってみてください。

 

 

ここまで、接地について大きな視点で考えを書いてきました。

接地と聞くとどうしても

フォアフット接地やヒール接地というように、

キーワードに目が引かれてしまいがちかと思います。

しかし

ランニングは全身で行う運動であり、足先ばかりに気を取られずに、

接地に至る過程や前提としての股関節の意識を持つことが、

何よりも大切なのではないでしょうか。

 

また接地の方法に関しては、

未だ明確にどちらが適しているという見解は出ていません。

今後別の機会に、

「今現在僕自身が考える」ランニングに適した接地について書いていこうと思います。

皆様もぜひ、

基本を押さえながら、接地について考えてみてください。