ランニングの疲労とパフォーマンスについて~フィットネス疲労理論~
ランニングと疲労は切っても切れない関係にあります。
疲労というとマイナスなイメージが先行してしまいがちですが、上手に向き合うことで、自分自身のフォームやコンディションを把握するための指標にもなります。
そのためランニングによる疲労を上手に味方に付けられるようにすると、よりランニングを楽しむことに繋がるかもしれません。
では、実際にランニングを行った際に疲労はどのように出てくるのでしょうか。また疲労によりパフォーマンスは低下し、パフォーマンスが低下したままの練習では思ったような効果を発揮することはできません。
そのためランニングによる疲労とパフォーマンスとの関係についてみていこうと思います。
ここで紹介するのは「フィットネス疲労理論」という考えです。
これは練習によるパフォーマンスの向上(マラソンではタイムでしょうか)をフィットネスと疲労の二つの要素から考えるものです。
まずは下の図を見てみましょう。
図は、練習によるパフォーマンス・フィットネス・疲労の経時的な変化を表しています。
それぞれの要素について説明すると
・パフォーマンス:競技レベル。マラソンではタイムや走れる距離。
・フィットネス:身体機能。筋力や持久力など。
パフォーマンスにはプラスの効果。
・疲労:身体の疲れ。部分的や全身的など。
パフォーマンスにはマイナスの効果。
つまり、練習によるパフォーマンスの変化というのは
という式で表すことができます。
ここで重要になることが、
・フィットネス効果:ゆっくりと向上し何もしないとゆっくりと元に戻る
・疲労効果:急激に増加し早く元の状態に戻る
ということです。
上の図で、練習直後のパフォーマンスの低下は疲労のマイナス要素が増えたことが大きく影響し、その後のパフォーマンスの向上はフィットネスのプラス要素が増えたことと疲労のマイナス要素が減ったことが影響したことになります。
このフィットネスと疲労のバランスを崩してしまうと、頑張って練習をしたとしても、パフォーマンスの向上は望めません。
つまり
出来るだけフィットネス効果を高め、疲労効果を少なくすることが
パフォーマンスの向上に欠かせないことになります。
特に疲労に関しては、蓄積されればされるほど、パフォーマンが低下し
ケガのリスクが上がるだけでなく、練習の効率も低下し、フィットネス効果の低下にもつながってしまいます。
しかし
フィットネス効果と違い、疲労効果は良い意味でも悪い意味でも反応が早い面があります。
そのため
練習後に疲労は急激に増えますが、ストレッチやマッサージをしっかりと行う事で、疲労を減らすことも十分に可能になります。
また頑張って練習をしているのに、なかなか結果に繋がらない人は、疲労が溜まった状態のために、パフォーマンスが低下していることも考えられます。
ストレッチやマッサージをしっかりと行う事は、トレーニングのマイナス要素を少なくして、パフォーマンスの向上に繋がる
ということも意識してケアを行いましょう。
フィットネス疲労理論については
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この本を読むことで、より理解できるかと思います。
この本は試合に向けて、どうコンディションを整えていくかについて書かれていますが、練習強度や内容を考えるためのヒントも多く書かれています。
今より、より効率的・効果的な練習をしようと考えている方は、ぜひ一読してみてください。